MIS人工股関節置換術について

湘南鎌倉人工関節センターは可能な限りメスを入れずに行うMIS手術を行っています。

MIS人工股関節置換術

極小の傷跡、最小限のダメージ

MISとはMinimally Invasive Surgeryの略語で、日本語に訳すと「最小侵襲手術」になります。皮膚の傷をなるべく小さくし、筋肉・靱帯にも必要最小限の侵襲を与えるだけで行う人工股関節置換術で、当センターではほとんどの患者さんに適用しています。かつて、当センターでは欧米の整形外科医とプロジェクトを組み、術式、器具の開発を行い、体格、年齢、股関節変形の程度によりますが、通常"ふともも"に5~6cmの傷をつけることで人工股関節置換を行うことが可能になりました。また、皮膚につく傷の大きさだけでなく、股関節周囲の筋肉・靱帯を切る範囲も最小限にとどめるので、手術後の回復が早まり早期のリハビリテーション、社会復帰が可能となっています。過去においては手術から退院までの期間が長く、手術を躊躇する方が少なくありませんでしたが、MIS人工股関節置換術ではほとんどの患者さんが、約1週間の入院で階段昇降、退院が可能となっています。ただし、MIS人工股関節置換術はトレーニングを受けた医師による手術でないと良い結果が得られず、すべての患者さんに対して行えるものではありません。専門医の診察を受け、あなたの股関節に適用できるか確認することをお勧めします。なお、MIS人工股関節置換術は主に初回手術で行うもので、2回目以降の再置換術への適用には限りがあると考えています。今後の技術の進歩にご期待ください。当センターでは、これからも侵襲の小さな、身体に優しい手術的治療を提供していけるように努めてまいります。短い入院期間で手術ができるなら早くこの痛みを何とかしたい!とお考えの患者さんはいつでもご相談ください。

人工関節のご説明

股関節

人工関節の一例

人工股関節は金属製の「ステム」「ボール(ヘッド)」「ソケット」そしてソケットの内側にはめ込む超高分子量ポリエチレン製の「ライナー」の4つのパーツで構成されています。どれひとつ欠けてはなりませんが、特にライナーは非常に重要な役割を果たしており、人体でいう軟骨と似た役割をしております。もしライナーがなければスムーズな関節の動きを再現することが難しくなります。

これらの部品の耐久性は一般的に10~15年程度とされています。しかし、部品の材質・手術技術・固定の具合・運動量・体重などの様々な要因により、長くも短くもなります。部品の主な材料としては、チタン合金、コバルトクローム合金、超高分子量ポリエチレン、セラミックを使用しており、多くの方に対して有効な材料で構成されています。