院長のご挨拶

世界最高水準の技術とハートで
患者さんのQOL(生活の質)を守ります。

患者の皆さんにとって本当に良い医療とはどのようなものであろうか? 日本の医療はこのままで良いのだろうか? 私がそんな思いにとらわれたのは、米国への留学がきっかけでした。人工関節という自分の専門分野において、日本と米国とであまりにちがう医学研究に対する姿勢、設備、マンパワー…それは大きな驚きとともに感動でもありました。

米国では患者さんに対する治療が最優先です。まずきちんと治せること、その後に研究がついてきます。当然のこと、医師はかなりの"腕"を要求されます。学問としての基礎研究が優先され研究論文が先行する日本では、最善の治療を第一とするこうした臨床研究システムの確立が遅れていることは否めません。因みに、日本では人口1,000人当たりの病院の数(ベッド数)は、欧米諸国の約1.5~3倍もあるにもかかわらず、ベッド100床当たりの医師の数となると1/3~1/6に過ぎず、看護師の数も米国と比較すると1/4以下というレベルです。また日本の入院期間は欧米諸国の3~5倍と、異常といえるほど長いのです。欧米の病院では手術後、できるだけ早く退院することが大切と、患者さん、スタッフ、両者に教育しています。当然、支払うべき医療費も安くなるからです。

私は患者さんにとって真に価値ある医療を求め、専門である人工関節手術後の早期退院、早期社会復帰を第一に試行錯誤を重ねてきました。その結果が、この「湘南鎌倉人工関節センター」です。これからも患者さんの意思・意見を尊重し、理想を具現化すべく努力を続けてセンターの一層の充実を目指します。

平川和男 院長プロフィール

  • 1987
    山形大学医学部卒業
  • 1994
    横浜市立大学医学部大学院
    博士課程修了
  • 1996
    1993-1996
    米国クリーブランドクリニック留学
  • 1997
    横浜市立大学医学部整形外科助手
  • 2002
    同大学附属市民総合医療センター
    整形外科講師、
    平塚共済病院整形外科医長
  • 2004
    横浜市立大学医学部非常勤講師、
    • 4月湘南鎌倉総合病院整形外科部長
    • 10月湘南鎌倉人工関節センター院長
  • 2010
    早稲田大学非常勤講師

所属学会

  • 日本人工関節学会
  • 日本股関節学会
  • American Association of Hip and Knee Surgeons
  • Orthopaedic Research Society
  • Society for Biomaterials
  • International Society for Technology in Arthroplasty

プレスリリース

神奈川県鎌倉市 
湘南鎌倉人工関節センター
国内初の人工関節特化型施設 
10月5日にオープン
2004年09月17日(金)

国内で初めて、整形外科のなかでも人工関節に特化した湘南鎌倉人工関節センター(神奈川県鎌倉市)が10月5日にオープンする。開設されるのは、同じ愛心会グループの湘南鎌倉総合病院から徒歩10分の位置。センター長の平川和男氏(写真)は、小切開による人工股関節置換術(最小侵襲手術=MIS) のパイオニアの一人で、来年3月まで手術の予約がいっぱいだという。湘南鎌倉人工関節センターは、整形外科の人工股関節置換術と人工膝関節置換術を中心に診療を行う有床診療所。4階建てで、1階がロビー、2階が受付外来部門、リハビリテーション、3階が手術室、バイオクリーンルーム、リカバリー室、スタッフルームなど、4階が19床の入院施設となっている。

早期退院、早期社会復帰が可能

現在、平川氏は湘南鎌倉総合病院整形外科で、1か月当たり20~25件の人工関節手術を実施している。小切開による人工股関節置換術は切開が7~8cmで済み、従来の術式の15~20cmの半分程度。日帰り手術も可能で、早期退院、早期社会復帰を目指す。従来の術式では1~3か月の入院が必要だったが、現在、同病院の平均入院日数は12日間。ただ、北海道から沖縄まで全国の患者さんが受診するので、遠距離の患者さんが不安なく退院するためには入院日数は長くなる傾向という。湘南鎌倉総合病院の人工関節センター構想は、昨年3月にスタートした。平川氏は同5月にホームページ「日本人工関節センター」を開設し、小切開手術の有用性を啓発した。平塚共済病院(神奈川県平塚市)と湘南鎌倉総合病院で小切開手術を実施し、今年4月から湘南鎌倉総合病院に専任した。センター化が必要だった理由について、平川氏は「混雑した総合病院の外来で患者さんに人工関節手術を十分に説明して、インフォームドコンセントを得るのは容易でない」と説明。センターにはセカンドオピニオンの専門外来も開設する。センターでは、平川氏が中心となって人工関節手術を実施する。平川氏は「1日4件の手術のために、午前7時には手術を開始する」という。時間がかかる再手術には、初診の手術と異なる日を充てる。こうしたシステムで、1か月当たり約30件の人工関節手術を実施する予定。平川氏は「独立したセンターで、患者さんのQOLを尊重した診療体制を実現したい」と抱負を語っている。平川氏らの検討によると、MIS人工股関節置換術は、従来法のハーディング法と比較して手術時間は若干長くかかるが、手術翌日からのリハビリも可能で、歩行も安定する。疼痛は従来法と比較して約60%に低下し、筋力低下も抑えることが可能。深部静脈血栓症、肺塞栓症、貧血、脱臼などの管理が重要で、術前からの徹底したインフォームドコンセントが重要となる。変形が強く、拘縮の強い変形性股関節症には、適応を慎重に選択する必要がある。MIS人工股関節置換術は術後の回復が早く、早期のADL獲得と早期の社会復帰が可能で、熟練した指導者のもとに行えば有用な方法だといわれる。

情報提供:(株)じほう

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